ウルトラマンの現われなかった架空史としてのエヴァンゲリオン


(注:下記の文章はネットでの考察サイトなどを参考にして書いたもので,いくつかの作品について,見てないか記憶に残ってません。一つの妄想としてお楽しみください。)


ホットエントリに上がってたので下記の記事を見る。

地球に知的生命が発生する以前、宇宙のどこかに高度な知的生命体が誕生しました。...

エヴァンゲリオン - エヴァンゲリオンを10巻まで読みました、ビデオも26... - Yahoo!知恵袋


ざっと読んで,非常に整合性がとれていることに驚く。でもこれ妄想設定だよね,白き月とか宇宙人とかそんな話劇中でなかったもんね,などと思いつつ,気になって少し検索。


参考:
使徒 (新世紀エヴァンゲリオン) - Wikipedia
http://homepage3.nifty.com/mana/eva-shi1.htm
http://homepage3.nifty.com/mana/eva2kimitsu.html


ちょ,待て! 公式!?


まあ,ディティールについてはいくつか見解があるようなんですが,大筋はすでに公式な資料があるらしい。なんで知らなかったのかといえば,それはビデオ/DVD版以降の新作カットやゲーム版でだけ出た設定だったから(自分はTVアニメと映画までしかフォローしてません。エヴァそんな好きじゃないし)。ああ,エヴァってこういう話だったんですねー。


さらに検索をしてみると,どうもゲーム版ではエヴァとナディアは同一時間軸の物語で,アダムとリリスを創造したのは第1始祖民族=古代アトランティス人であるということが語られてるらしい。


参考:新世紀エヴァンゲリオン - Wikipedia
エヴァンゲリオン2の情報: 真実は君と共にある!


ナディアでは南極の大空洞にノーチラス号の秘密基地があったが,あれがエヴァでいうところの「白き月」と解釈してよいらしい。つまりセカンドインパクトってのは,あの基地がふっとんだって出来事だったんですな。またナディアの劇中にもアダムと呼ばれる個体が登場してるが,これがエヴァのアダムと同じかは諸説があるっぽい。
うーん,なんというクロスオーバー。


さらにいえば,古代アトランティス人はM78星雲からやってきたとされている。もちろん自主製作でウルトラマンの同人特撮ビデオを作るまでしている庵野監督のギャグだが,これを真面目にウルトラマンと同一の人種と考えてみる(マテ
M78星雲人は地球でまだ類人猿などまでしか存在してなかった時代に地球に降り立ち,人類(=第18使徒)を進化させ,アトランティスなどの文明をもたらした。彼らは地球上ではネモの家族以外を残して滅んでしまったが,宇宙にはもちろん生粋のM78星雲人=ウルトラマンたちがいる。


現在放映中のウルトラマンメビウスでは,ウルトラマンについて興味深い設定が述べられている。もともとM78星雲の宇宙人は,地球の人類とよく似たサイズの生命体であったらしい。さまざまな出来事により彼らは劇中のように銀色の巨人となったが,本来のM78星雲人は人類によく似ているという。
メビウスによれば,ウルトラマンたちが地球に強い思い入れのあるのは,彼らが自分たちの過去の姿によく似ている,という懐古の念もあるらしい。かつて地球に降りたM78星雲人は彼らが巨人となるまえの世代であり,彼らが旅立ったのちにウルトラマンたちは巨人化せざるをえなくなったのだろう。


宇宙警備隊員であったウルトラマンは,宇宙怪獣ベムラーを追って地球に着陸した。そのとき科学特捜隊のハヤタの命を奪ったことに責任を感じて彼と命を共有したときからウルトラマンの物語ははじまる。彼らはまさか地球人類が自分たちの同種族が創造した生物だとは気づかなかった*1が,自分らの過去によく似た姿をした彼らを愛し,守ろうと誓ったのだった。


さて,ではエヴァンゲリオンである。エヴァがナディアと同一時間軸の物語であり,かつM78星雲人がウルトラマンであるなら,エヴァにもウルトラマンが登場したはずである。あるいは地球人を狙って現われるあまたの宇宙人や宇宙怪獣の中には,エヴァでいうところの使徒と同じであり,二種類の使徒が同じ惑星にいる矛盾を感じて襲ってきたものもいたのではないか*2。当然ナディアの未来の日本では,地球人を襲いにきた宇宙怪獣(=使徒)と,それを守るために来訪するウルトラマン(=M78星雲人)がバトルを繰り広げたはずである。


だが,それはなかった。
それどころか地球人はセカンドインパクトを起こし,アダムを暴走させ,のちに現われる使徒に対抗するために,エヴァンゲリオンを創造した。そこにはウルトラマンの姿も,役割も存在しない。シンジたちの世界には,ベムラーは飛来してこなかったのだ。*3


たぶんナディアの裏設定で古代アトランティス人がM78星雲人だとした時点では,その未来は現在のウルトラマンシリーズのような世界であり,むしろ「ウルトラマンが人類の創造主だったんだよ!」って二次創作ネタだったんだと思う。だがその未来として位置づけられてしまったエヴァンゲリオンではウルトラマンは登場しない。
おそらく,ナディア後の正史としての未来は,ウルトラマンの現われる世界なんじゃないだろうか。そしてその代わりとして描かれたエヴァンゲリオンとは,「ウルトラマンが登場しなかった架空史」として,ナディアの未来に位置づけられた物語なのかもしれない。


などと妄想しちゃったりして。ああ,新しい劇場版もやるし,DVDでもレンタルして見直すかなー,エヴァもナディアも。個人的には原始キリスト教とかと関連づけるよりか,こういうオタ物語解釈の方が好きだわー。

*1:妄想設定だから当たり前w

*2:つーか,そもそも設定コンセプトはそうなのかも。

*3:科特隊も出てこないが,もしかしたらゼーレって科特隊の未来の姿なのかも。