ジャンルコード別サークル数の推定速報(C81)


前回につづき,今年12月開催のコミックマーケット81(C81)のジャンルコード別の参加サークル数の現時点での推定を出しました。ソースは昨夜から現在までにPixivのイベント検索・twitcmapおよびTwitter上でのツイートを元にしています。


とそのまえに告知。今回もサークル参加します。スペースは 12/31 3日目土曜 Q-03a です。「大晦日キュゥべえは3年A組」と覚えてください(さすがに無理がある)。一応予定だと今回は,コミケとPixivとニコニコ動画のクリエイター(同人作家・絵師・うp主)の比較・相関分析などを出すつもりだったのですが,実は11月12月に大きなイベントを控えて多忙なのでどうなるかはちょっと謎かも? とりあえず何かしらは出します。


ということで冬コミのサークル数の推定値です。

ジャンル名 C79 C80 C81推定 対前回比 対前年比 前回増減 備考
創作(少年) 1504 1520 1460 96.1% 97.1% -60
創作(少女) 544 564 562 99.6% 103.3% -2
創作(JUNE) 612 636 508 79.9% 83.0% -128 サンプル不足
学漫 164 168 152 90.5% 92.7% -16 サンプル不足 母数小
評論・情報 560 564 629 111.5% 112.3% 65
男性向 4070 4372 4334 99.1% 106.5% -38
ギャルゲ─ 1370 1412 1252 88.7% 91.4% -160
Leaf & Key 306 322 300 93.2% 98.0% -22 母数小
TYPE-MOON 238 164 186 113.4% 78.2% 22 母数小
デジタル・その他 1376 1472 1507 102.4% 109.5% 35
同人ソフト 806 800 751 93.9% 93.2% -49
東方Project 2774 2774 2617 94.3% 94.3% -157
ゲーム(その他) 764 830 928 111.8% 121.5% 98
ゲーム(電源不要) 290 296 313 105.7% 107.9% 17 母数小
オンラインゲーム 382 308 296 96.1% 77.5% -12 母数小
ゲーム(RPG) 912 874 825 94.4% 90.5% -49
スクウェア・エニックス(RPG) 426 426 438 102.8% 102.8% 12
ゲーム(恋愛) 1082 978 921 94.2% 85.1% -57
ゲーム(歴史) 850 1012 860 85.0% 101.2% -152
ゲーム(格闘) 168 146 125 85.6% 74.4% -21 母数小
FC(ジャンプその他) 1392 1382 1559 112.8% 112.0% 177
ワンピース 288 288 250 86.8% 86.8% -38 母数小
NARUTO 288 286 250 87.4% 86.8% -36 母数小
テニスの王子様 570 468 500 106.8% 87.7% 32
銀魂 542 486 421 86.6% 77.7% -65
REBORN! 714 572 438 76.6% 61.3% -134 サンプル不足
アニメ(その他) 1890 2096 2124 101.3% 112.4% 28
アニメ(サンライズ) 366 334 1459 436.8% 398.6% 1125
ガンダム 488 436 381 87.4% 78.1% -55
歴史 142 156 189 121.2% 133.1% 33 サンプル不足 母数小
創作(文芸・小説) 374 406 350 86.2% 93.6% -56
特撮・SF・ファンタジー 554 524 575 109.7% 103.8% 51
鉄道・旅行・メカミリ 710 794 789 99.4% 111.1% -5
音楽(洋楽・邦楽) 324 316 300 94.9% 92.6% -16 サンプル不足
音楽(男性アイドル) 696 688 650 94.5% 93.4% -38 サンプル不足
TV・映画・芸能 794 728 625 85.9% 78.7% -103 サンプル不足
スポーツ 180 196 250 127.6% 138.9% 54 サンプル不足 母数小
FC(小説) 1388 1316 1168 88.8% 84.1% -148
FC(少年) 552 562 798 142.0% 144.6% 236
FC(少女) 164 146 170 116.4% 103.7% 24 サンプル不足 母数小
FC(青年) 856 866 844 97.5% 98.6% -22
ヘタリア 1490 1302 1002 77.0% 67.2% -300
FC(ガンガン) 504 480 419 87.3% 83.1% -61 C79は鋼の錬金術師含む。サンプル不足
オリジナル雑貨 360 390 377 96.7% 104.7% -13 サンプル不足

数値を出したやり方は以下の通り。

  • Pixivイベント検索・twitcmap・およびTwitter検索(公式の)でのサークル参加情報告知から配置を推定。
  • 配置ブロック・番号上で,同一ジャンルコードの飛び地はできないと仮定(実際はありえます)。
  • 壁サークルはその直近ブロックのジャンルと必ず同じ と仮定(実際は違うケースも多いです)
  • 以上からジャンル境界を推定してサークル数の数値を算出。
  • 今回はジャンルコード不明のスペースについては前回データを参考にジャンルの性格なども加味してジャンルを割り当てています。
  • 推定値と前回(C80)と前年冬コミ(C79)からの増減率を算出。
  • 母数が少ない,または判明サークル(サンプル)が少なすぎるジャンルは判定が誤る恐れが大きいので備考に記述。


といった感じ。前回といろいろ変えてるので注意。変えた理由は,数値を見誤る要因がだいたいつかめたのとめんどいから(ぉ
あくまで推定ですのでこれを信じて何か間違えても責任は負えませんのであしからず。



現状で目立った数字としてはこんな感じ。

タイバニぱない。


表をみて一目で驚くと思います。「アニメ(サンライズ)」が約4.4倍になっていますが,この原動力となったのが「Tiger&Bunny」,通称タイバニ。前回との差の1100サークルあまりは実質このタイバニのものです。C80の申込み時点でははじまっておらず,上半期の放送中に人気が出て,C80ではどこのジャンルでもタイバニ本を見かけました。今回増加するのは想定内でしたが,この勢いはちょっと驚きました。
このあおりをくってか,比較的若い作者の多い女性向けサークルは大きくサークル数を減らしています。『デュラララ!!』人気の「FC(小説)」,「戦国BASARA」の「ゲーム(歴史)」は,これまで増加傾向でしたが今回大きく減に転じました。ほかジャンプ系など多くの女性向けサークルが大きくタイバニに動いたようです。
もともと減り気味だった「ヘタリア」も激しく転落。ほぼ1000サークルを切るほどの減で,単独タイトルのサークル数としてはタイバニと入れ替わっています。


東方ついに減りました。


単独ジャンルコード獲得からこれまで,ひたすら増加し続けてきた「東方Project」。前回は増減なしでしたが,ついに今回減少に転じました。これまで増え続けてきたのがすごかったとも言えるのですが,さすがに勢いがなくなってきたということでしょう。
状況としては,タイバニが同じ日同じホールにあるのでその影響でサークル数が減ってるということも考えられますが,いずれにしろ勢いの鈍化は否めないでしょう。何より,これまではむしろ東方が全体の当選率を低くしてきた元凶だったわけですし(サークル申込みの母数が増えると当選率が下がります)。
ちなみに今回配置が特殊で,「東方Project」は3日目の男性向けのように東3と東6でガレリアをはさんで別ホールに配置されています。男性向け以外でははじめてかもしれません。


そのほかで増えたジャンルでは以下があります。

  • 「評論・情報」……なぜかはわかりませんがさいきん増加傾向ですね。
  • 「ゲーム(その他)」……「エルシャダイ」「ダンガンロンパ」など小ヒットがいくつか起きてるようです。
  • 「FC(ジャンプその他)」……アニメ化もされた「青の祓魔師」通称青エクの人気が大きいです。
  • 「FC(少年)」……夏の頃から少年サンデーの「マギ」の女性人気が高まっています。


このほかにもありそうですが,今回の推定の精度では母数が小さいジャンルは保留ですね。40,50は誤差のうち。


減ったジャンルでは以下。
なお上記のタイバニの直接的な影響のほか,今回編成替えで,3日目はC80のさいのジャンルにプラスして「歴史」と「創作(文芸・小説)」が来ています。これらが500サークルほどですので,その分3日目の当選率も上がって厳しくなってるようです。ある意味タイバニ人気に備えた結果といえるかも。

  • 前述のとおり「FC(小説)」「ゲーム(歴史)」「ヘタリア」が激減しています。いずれも短期的に人気の増えていたジャンルではあるので,やはりそれがタイバニに流れた,とみてよいでしょう。
  • 同じく女性向けでは「ガンダム」「銀魂」なども減っています。
  • 「ギャルゲー」が減っているようです。いつもならTYPE-MOONLeaf&Keyの方が減ってるのですが,今回こちらは現状維持ないし増加のようです。人気のある「アイドルマスター」と「リリカルなのは」の減少が見えます。上述の3日目の編成替えの影響。


同じくこのほかにも母数の少ないジャンルで減少傾向がみられますが,誤差の影響が大きいので保留です。


その他,これまでの動きをふまえると以下の動きがあります。

  • 増加傾向のあった「デジタルその他」「鉄道・旅行・メカミリ」の増加が鈍化しています。上述の編成替えの関連。
  • 逆にここのところ減減と来ていた「特撮・SF・ファンタジー」が増えました。

あと大物の「男性向」と「アニメ(その他)」は今回現状維持でした。これまでは増加傾向で「魔法少女まどか★マギカ」「スイートプリキュア」などの増加材料もあったので,タイバニ・編成替えの影響とプラスマイナスでゼロという感じ。


以上をまとめると,おおむね(想定内とはいえ)タイバニが爆発したおかげで全体の配置がわりを食って,新しく勢いのあるジャンル,たまたま配置の利を得たジャンル以外は減った,というのが今回の印象ですね。
近年人気のあったジャンルは,東方・ヘタリアほか,アイマスもボカロもデュラララもBASARAも鉄道擬人化も今回減に転じたっぽく,時代が変わりました。
新興ジャンルのタイバニ・青エク・マギ,あるいはその他の小ヒットの作品(まどマギうたプリ等々)が息の長い作品になるかが今後の関心どころでしょうか。


最後に今回の配置を図にまとめてみたので貼っておきますね。東方が3・6に割れてるのとか,デジタルその他の一部(コスプレROMっぽい)が男性向けの横に移動してるのとか面白い。あとタイバニ・アイマスVOCALOIDなど関心があって少し配置を調べてたところはサブジャンルですが載せてみてます。
なおあくまで推定なのであしからず。あとで変わるかも。

アピールみて答え合わせしてて気づいたとこ,変なところに「610 歴史」が浮いてたとこ,3日目のBブロックがないことなどを修正。内容に関わる部分ではとりあえず問題はなさそうです