「10の方法」への反応に答えて


思ったよりウケが良かったので適度に答えてみる。

米欄

国が払うというのが理にかなっていると感じます。図書館や博物館の延長というか。


国が払うことになるってことは,税金が上乗せされるか,ほかに使うべきところから抜かれるか,もしくは研究関係の補助金等が目減りするってことになります。まあ無い袖はふれんのです。
ドイツのようなナショナルライセンスは,誰でも存分に,どこに所属してるなどを気にせず論文を利用できるという利点はあるんですが,その分利用できるタイトルが硬直化するとか,どのタイトルを切るとか残すとかの判断ができなくなるという難点があるため,まあ一長一短です。大学なんかでも似たようなことが起こってますね。STM系のジャーナルばかりなのに,文学部の予算からも電子ジャーナル経費が引かれてしまうとか。最良の方法というのはなかなかないですね。

>論文Hacks
そうか・・これは論文Hacksになってしまうのか・・・利用者支援、利用者教育ってやつぁ・・・


下の記事もそうですが,なんかさいきんは図書館の利用法みたいのを Lifehack 的にみる傾向がありますねえ。内側からみるといろいろ首をかしげるところもあります。確かに。
でもまあ,つまらなそうに聞かれるよりはまだ説明のしがいもあるかもしれません。いっそ利用者教育も「司書が教える図書館ハック!」みたいなノリでやったらウケるんですかねー。「先生に一発で認められるレポートの書き方」とか(注:正攻法)。

トラバ


http://d.hatena.ne.jp/rei-kotonoha/20070626

電子ジャーナル入れるのに20万、という話は知っていましたが、80万なんて代物があるというのは初耳です。どこですか、その雑誌は。学術成果は確かに価値のあるものだけれど、それにしたって吹っかけすぎだと思うよ?

答えるというか,あっちでコメントしたのですが,よく調べたら80万どころか250万する雑誌もありましたよ。あれは学術的に評価高い雑誌で,しかも週刊誌のクセに分厚い奴なんでまあ納得もできなくはないんですが,でも200万越えかあ……。
調べたらもっと高い雑誌とかもあるんだろうか。ほんと10万なんて安い安い。雑誌担当やると金銭感覚がおかしくなります。

ブクマコメ

false_alarm "利用したい雑誌の電子ジャーナルを契約してる大学の図書館にいって,公開されてる利用者端末等で論文を見る" これできる大学あるのか。うちの大学は、図書館からはアクセス制限されてて見れない。


どこの大学だ……ひでえ。大学じゃなくて研究室で買ってるとかならそういうのも聞いたことあるけど,そんなのもあるんですねえ。

waterperiod (中略)著者から直接取り寄せは時々図書館でもやります(^^)。


ですね。逆に,余所の図書館から「あなたのとこの先生が書いてる論文なんですけど」って問い合わせきて先生に聞いたら,それじゃあってその論文の載ってる研究会の会報*1貸してくれた,なんてこともありました。
とりあえず使えそうなものはなんでも使って論文をGETする。ILL担当者の基本ですね(マテ

b_say_so んん普通に図書館で頼んで送ってもらうとかよく使うんだけどなぁ…自分で出向いてコピーも多いけどそんなに知られてないのか…
TsumuRi 金のかかる雑誌の論文を読むには所属機関を最大限利用するか、図書館に突撃しるのがよい。研究室に入った4年生の最初の仕事は先生様のお使い(論文コピー)だったので皆知ってるもんだと思っていたがそうでもないのか。


ご利用ありがとうございます。その調子でどんどん使い倒してやってください。


まああれですよ。言いたいのは

tzh 図書館 論文の入手方法がわからないときはお近くの図書館へ

ってことです。


前回まとめたのは所詮は教養レベルですし,myrmecoleonは図書館員としちゃまだペーペーです。上級クラスがほかにいくらでもいます。図書館にはそういうのが普通にいます。
とりあえずわからなくなったら引用してた文献とかを持って図書館に相談。資料のお悩みは図書館まで。10の方法のどれが使えるか*2も含めて,全部対応してくれるはずですよん。

*1:日本中のどこの図書館にも所蔵がなかったらしい

*2:日本にナショナルライセンスはないですし,不正にメール転送とかはナシですが