国立まんが図書館?

先日,id:shomotsubugyo氏の提案する*1「国立まんが図書館」について,氏の日記で少しコメントのやりとりをする。
http://d.hatena.ne.jp/shomotsubugyo/20060903/p1

詳しくは直接以下のエントリを見てもらいたいが,提案を簡単にまとめれば
「国会図書舘に同人誌を悉皆収集させて,第二国会図書舘*2を「国立まんが図書館」に改装すべし」ということ。
http://d.hatena.ne.jp/shomotsubugyo/20060619/p3
http://d.hatena.ne.jp/shomotsubugyo/20060813/p1


多少とっぴな発想であるが,間違ったことではない。むしろ,法的にいえば同人誌が国会図書館に納本されていないことの方が問題であったりする。
参考:http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Gaien/2207/sakai/021007.html


国立国会図書館は法定納本図書館として,国内の出版物を悉皆的に収集する義務がもともとある。その目的からすれば,コミケの漫画同人誌が納本されていないことは同人作家の問題であると同時に,国会図書館自体の問題でもある。だから国会図書館が同人誌を収集することは,法的にも歴史的にも非常にまっとうな見解であるといえる。

同人誌図書館の設立自体については,十分なニーズがあると考えられる。たとえば以前に設立し,惜しくも廃業したアキバの同人文庫は,少なくともその開店にあたっては絶賛を受けていたことを思い出す。さいきんでもこのようなエントリを見かけるように,同人作家やオタク界隈においてはむしろ強く求められる存在ではないだろうか。


とはいえ,実際にできるのか,という点においてはやはり不安を感じる。id:shomotsubugyo氏もコミケの見本誌を寄贈すればよいだろう,ということを言っているが,実際に寄贈したあと利用できる状態になるまで何年かかるかは分からない*3


実は,自分も以前に,国会図書館コミケ見本誌を寄贈して〜 と同様のことを随想したことはあった。もっとも,随想レベルなんでたいして考察もなく,「やっぱ無理だよなあ」で閉めてしまった。運動を起こして戦おう,などとは夢にも思わなかった。
改めて考えてみる。「国立まんが図書館」は,それほど無理な想像なのだろうか? また,同人誌の収集と保存について,これまでどれだけのことが述べられ,また行われているのか? さすがに自分で運動を立ち上げるまで行くつもりはないのだけど,非常に関心のわく話題ではあったり。このへんについて,少し情報収集をしてみたいな,と思っています。

*1:正しくは氏の友人のアイディアらしい。

*2:国会図書館関西館のこと。

*3:普通に出版された本でさえ数ヶ月かかる場合がある。まして同人誌なんて数年倉庫につっこまれてるかもしれない。もっとも,コミケの見本誌倉庫もろくに開かれてないという噂を聞くので同じことかもしれないが。