心に決める。


9月にこのはてなダイアリーを始め,同人誌図書館の話題をあげ,いままで考察してきた。その中でコミケ設立の功労者である米澤氏の業績と考えを知り,いまはまだ未熟であるけれど,いつか自分の考えをまとめ,氏に聞いて欲しいと思っていた。そのとき認めてもらえるようなものを作り上げたいと思っていた。


その矢先でのこの訃報。それはただの偶然。でも,自分は心に決めた。
自分にできることを尽くして,この志を遂げよう。同人文化を愛した氏のために,いつか,誰もが自由に先人たちに思いを馳せられるような,同人誌図書館が設立できるために尽くすことを。


自分はスタッフでもなければサークル参加者でもない。同人書きでもなく古参でもなく,有明以降の一般参加者に過ぎない。だから当然のように未熟で,多分にその考察には甘さが満ちている。それでも,何かできるのなら,しなくてはならないという義務感を感じる。


自分はコミケの空気が好きだった。さまざまなジャンルの人たちが,自分らの大好きな本を売っている姿が好きだった。欲しい本を手に入れるために,多少乱暴でも必死に急ぐ人々を見るのが好きだった。コスプレも企業も,多少の歪みはあれ,誰もが嬉しそうに走り回るのを見るのが大好きだった。
あの大好きな空間を作ってきた人が死んだ。なら自分は,その恩を返さないといけないんじゃないだろうか。


どこまでできるかはわからない。でもはじめた以上,自分なりの答えが出せるまでがんばって見よう。
会ったこともない,生で見たこともないけれど,それが米澤氏に対して自分ができる,唯一の恩返しだと思うから。
そう,心に決めた。