- 作者: 有川浩
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2007/02/01
- メディア: 単行本
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『図書館危機』読みました。『図書館戦争』『図書館内乱』につづく,有川浩さんの図書館シリーズの三作目。一作目ほどの盛り上がりはないけれど,相変わらず良い出来。
まあ出たばかりなので,直球のネタバレのない程度に感想。
今回のテーマは「痴漢・盗撮」「不祥事」「おはなし会」「里帰り」「言葉狩り」。*1
終盤の本の燃えるシーンはなかなか複雑なものを抱えてて良かった。
「痴漢・盗撮」も“図書館の危機管理”という側面で一昨年あたりから話題になってるけれど,今回非常にタイムリーなのが言葉狩りでしょうか。
ちょうど「図書分類の「らい」をハンセン病に変更を 厚労省が通知」なんて報道が話題になったのを日図協が「公共機関、関係団体等における「ハンセン病」の語の取扱いについて」について(PDF)という異例のコメントを出したところでわいてたところ。
まあ,作中の言葉狩りの件は本当につまらない理由で選ばれた言葉でその否定も賛同を得られそうなのに対して,ハンセン病については実際にいろいろな差別の歴史をくぐってきただけに簡単に否定もできないところ*2なのが難しいですけどね。
しかし,前回の「〜内乱」がちょうど新聞の閲覧禁止でわいてたところに発売されたことといい,なんなんだこのシリーズのタイムリーさは。なんかの予言書ですか?