「長門有希の100冊は図書館で揃うか?」のこれまで


とりあえずここまでのまとめ。

発端

ネタ元。「ザ・スニーカー」で紹介された「長門有希の100冊」のリスト。
やや偏りはあるものの,漫画あり古典ありSFありミステリありとバラエティーに富んだ面白いリスト。
これを図書館で並べる企画展とかはどれくらいの図書館でできそうか,というのを思いついたのが発端。
ちなみに4冊ほどは入手しようがない*1ので,図書館での最高所蔵率は96%となります。

長門有希の100冊」各館所蔵率

基本ルールは「CAX氏のリストにある本とほぼ同一のテキストを読める」こと。出版社・版型は異なってもよい。ただし訳書の場合は翻訳者が同一であることが条件。ただし国会図書館のみは指定の版型に限定する特別ルール。

館名 所蔵率
国立国会図書館 95.0%*2
大阪市立図書館 91.9%
横浜市立図書館 91.0%
名古屋市立図書館 85.8%
大阪府立図書館 76.8%
東京都立図書館 70.1%
埼玉県立図書館 65.7%
奈良県立図書情報館 35.0%
高知県立図書館 34.0%
山梨県立図書館 24.0%


国会図書館は別格として,都道府県立よりも市立図書館の方が小説類には強いことがよくわかる。また館種が同様なら,所蔵冊数はかなり比例するらしい(所蔵冊数の少ない館は所蔵率も低い)。都道府県立図書館の所蔵率は76〜24%とかなり格差が広い様子。ただし地域差などはこの時点ではいえず,しいていえば所蔵冊数の地域差と同程度には地域差があると予想される程度。

タイトル毎の傾向

すべての館で持っていた本

代表的な文学作品が並ぶ。『イメージシンボル辞典』はおそらく参考書としての価値から。
『少年エスパー戦隊』などは少し意外。


大半の館で持ってなかった本

  • 『クレープを二度食えば。』
  • 『伯母殺し』
  • 『妄想自然科学入門』
  • 『暗闇の中で子供 The Childish Darkness』
  • 『スターダスト・シティ』
  • 『ECCENTRICS』
  • 底抜け超大作
  • 『できるかなリターンズ』

漫画は弱いらしい。人気の舞城も,県立図書館クラスでは厳しい様子。

余所様でやってくれた同様の調査

鈴木舟太氏の調査

館名所蔵率
品川図書館68%
大崎図書館28%
大井図書館20%
二葉図書館17%
五反田図書館17%
荏原図書館16%
ゆたか図書館16%
八潮図書館15%
南大井図書館11%
源氏前図書館10%
全体81%


分館レベルでの調査がされており,必ずしも中央の大図書館のみですべてが揃うわけではないことがよくわかります。区立図書館は大規模な市立図書館と同クラスのようですね。


id:natu_nさんの調査

地域人口所蔵数所蔵率
福島市29万人
79万冊
74.1%
郡山市34万人
78万冊
56.9%
いわき市35万人
48万冊
45.0%
会津若松市13万人
30万冊
29.0%


福島県の主要な市立図書館の調査結果。地域格差はあるものの,それでも一定の所蔵率は保ってる様子。やはり全体の所蔵冊数に比例する傾向。

次回予告

上記をふまえて,次回はゆにかねっと収載の都道府県立・市立図書館をチェックして公開する予定。どうでもいいんですが,調べてたら2館ほどデータ提供館のリストにない名前が。これから追加されるんですかね?

*1:うち3冊は実在しない。1冊は所蔵する可能性はあるが未邦訳。

*2:国会図書館特別ルールによる。他館と同ルールなら96%でMAX