昨日のエントリへの反応を見て


同人誌は著作権侵害


正直,同人誌のギリギリ白い部分の説明なんて既出だと思ってたのだけど,意外に注目が集まるものですね。。。。

「出版物を元に制作した小説などを掲載すること」は禁止とどこぞの出版社は強弁してますが,翻案と見なされるのは作品の文章や絵柄,あるいは物語のパロディであって,前回引用したとおり,固有名詞と作品設定は流用しても決して黒ではないはずです。*1

まあ世の中には,存命中の大作家の長編の続きを勝手に書いちゃってどやされた人なんてのもいましたので(あれは著作権前史だったかな?),少なくとも原作者が書いてない,ってことは明示されてないとまずいでしょうね。同人誌を原作者の作と勘違いする馬鹿もどうかと思いますが。


あと,同人誌図書館の方の記事に書いてますが,多少白い同人誌が存在するとしても,大部分の同人誌は(漫画|アニメ|ゲーム)のイラストを含むパロです。絵柄のパロディについてもいろいろな説がありますが,白と言い切ることはやはりできません。同人誌が黒い,ってのはやっぱ現実なんだろうなあ。


同人誌図書館の法的問題:二次的著作物の権利


以前に公表権・譲渡権あたりをやったのの続きです。あの時点では文中にある勘違いがあったため,何で同人誌が制限できるのか分からなかったのですが,勘違いが解けたら一気にはっきりしました。
やばいです。なんで大手をふって書店委託なんて制度がまかり通ってるのか不思議なほどにやばいです。まあ,裁判になって違法性が明確にならなければいいんですけどね。それに関連企業も同人ムーブメントを消したくないだろうし。


そういえば,先日mixiで自分の作品を許諾してくれるかゲーム会社に電凸して非難された人がいましたが,この問題は本当に,著作権者にとっても同人作家にとっても,触れてはいけない火薬庫みたいなもんなんでしょうね。とらあたりの委託同人をどこかの作家が訴えたら,同人誌の通販なんて砂上の楼閣,一瞬にして潰えるんだろうなあ。。。。*2


図書館への寄贈に関しては,shidhoさんが「国立国会図書館法は図書に違法適法の別を設けてないので、その意味では例外扱いされてると思います。収蔵しても閲覧出来ないかもしれないけど。」と言って下さってますね。保管するだけなら問題ないのかな。違法っぽい同人誌については,いつか法改正でどうにかなるまで眠っていてもらうしかないのか……。
ほんとはそういう閲覧制限,したくないんだけどなー。コミケの理念からしても,図書館の思想からしても。


そして,結論としてはこうなるわけですか。

garamani1983 本文末尾の「どうしろとorz」が、問題の総括だと思います。


orz

*1:これ信じて裁判に負けた,と言われても困りますけどね; 世の中には,白を黒にする人達もたくさんいるので諦めましょう。

*2:なんだか,同人誌図書館を建てたい,とこうして考察してることさえ悪いことみたいに思えてきたよ。。。。